全米が泣いた元カノの話

◇あらすじ＜br＞＜br＞「ごめんなさい。

あなたと私は、やはり住む世界が違っていました。

それが、わかったんです。

ごめんなさい、智樹くんーー」＜br＞＜br＞それが、俺たちの別れだった。

＜br＞あれは、大学に入って付き合い始めてから、何年目のことだったか。

本当にいきなりだった。

＜br＞あまりにも唐突でわけがわからなくて、俺はなんとか話し合って彼女を引き止めようとしたのだが、無駄だった。

＜br＞そして俺たちは、それっきりになった。

＜br＞＜br＞それから数年後＜br＞俺は、とある中規模会社の社員になっていた。

＜br＞＜br＞そんなある日。

＜br＞前任の社長がその席を退き、副社長である男に社長の座を譲ることが決まった。

＜br＞副社長……社長の息子であるその男は、真面目で爽やか。

おまけに頭も顔も良く、それを鼻にかけることもなく、副社長とはいえ現場に混じって気さくに働いていた。

＜br＞性格が良く、親切で、皆からの受けもいい。

＜br＞俺も、あいつのことは正直嫌いではない。

＜br＞そんな彼が、彼の父親としては高齢な社長の体調不良もあって、急きょ新社長に就任することとなった。

＜br＞＜br＞そこまでは、よかった。

＜br＞＜br＞「上谷志穂です。

よろしくお願いいたします」＜br＞＜br＞新社長の横にいた女性がそう言った。

＜br＞＜br＞皆につられて手を叩くも、胸がドキドキして血の気が失せて、めまいにふらつきそうで仕方ない。

＜br＞昔の彼女……俺を振った女が、あろうことか勤務先の社長の妻となり、おまけに、経理担当責任者……＜br＞俺たちの上に立つ存在となって、目の前に現れただなんて。

＜br＞ただ社長の妻であるというだけなら、会社からは少し離れた高級住宅地の豪邸で優雅に暮らしているというだけなら、まだ我慢できた。

＜br＞それが、会社の中に入ってくるだなんて。

経理の責任者という、俺も含めた全社員と関わりのある仕事に就くだなんて。

＜br＞最悪だ。

まるっきり、悪夢だとしか思えない。

＜br＞＜br＞そして、俺の予感は、それなりに的中したのである。

＜br＞＜br＞彼女が経理の責任者になってからというもの、会社は変わった。

＜br＞これまでは緩かった、領収書の受理を含めた必要経費の取り扱いが非常に厳しくなって、常に監視されているような日々。

＜br＞社員たちからは当然不満の声が上がるものの、経理責任者様の『社長夫人』という肩書きにはもちろんのこと＜br＞これが営利企業のあるべき姿とばかりの、無駄をなくしてきちんと仕事をして収益を上げていく様を見ては、誰も何も言えず頭が上がらない。

＜br＞だが、やはり確かに、頭ではわかっていても感情的には割り切れない不満というものがそこには存在してしまう。

＜br＞そして俺も、そんなもやもやを抱えているうちの一人だった。

＜br＞＜br＞◇ヒロイン＜br＞＜br＞名前：上谷志穂（かみやしほ）＜br＞年齢：26歳＜br＞サイズ：T165／B86／W58／H87＜br＞物静かな女性で、中流階級の暮らしをしてきた。

＜br＞少々お嬢様気質なところがある。

＜br＞学生時代、主人公とつき合っていて身体の相性は抜群。

＜br＞快楽に溺れていた時期があり、敏感体質。

＜br＞＜br＞◇主人公＜br＞＜br＞名前：羽賀智樹（はがともき）＜br＞年齢：26歳＜br＞人見知りというほどではないが、大人しめな性格。

＜br＞どちらかというとクールに振る舞う。

＜br＞普段は人畜無害そうに振舞っているが、＜br＞実はプライドが高く、野心家なところもある。

＜br＞＜br＞◇上司＜br＞＜br＞名前：上谷正志（かみやまさし）＜br＞年齢：25歳＜br＞真面目で爽やかな性格。

ヒロインの夫。

＜br＞頭が良く、顔もいい上、社長の息子でありながら、＜br＞それを鼻にかけることもないなど性格も良く、非の打ち所がない。

＜br＞副社長を経て、社長に就任する。

＜br＞＜br＞※注意＜br＞この書籍は、文中に現れる選択肢をタップごとにストーリーが変化する「アドベンチャーゲームブック」を含んでいます。

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